2020年8月28日、長期政権となった安倍政権が終わりを迎えました。みそじ男は仕事のMTG中で、会見を生で見ることができなかったのですが、あとでニュースなどで見ることができ、思わず涙してしまいました。
政治に対してあれこれ言うつもりはないのですが、潰瘍性大腸炎患者でありながらも日本国民のために働き続けた安倍総理には本当に拍手を送りたいです。本当にお疲れさまでした。
みそじ男は安倍総理大臣とは全く立場もプレッシャーも異なりますが、今では100人を超える従業員を抱える会社の経営者となりました。潰瘍性大腸炎と戦いながらも、大きなプレッシャーのかかる仕事を続けることは、簡単なことではないと身を持って知っています。
そんなみそじ男だから感じる、安倍首相の潰瘍性大腸炎について色々考察してみたいと思います。
そもそも潰瘍性大腸炎とは
過去のエントリーにまとめているので、こちらを御覧ください。
時間のない人向け 潰瘍性大腸炎 簡単まとめ
・若者に多い
・難病指定病気
・完治しない病気
・寛解の維持は可能
・軽症~重症まで存在
・症状によって働けない
・大腸全摘出するケースも
・血便や下痢が1日10-20回も
・日本でも増えており約20万人
どのくらい潰瘍性大腸炎の治療は必要なのか
症状の大きさにもよります。
寛解期(潰瘍性大腸炎が落ち着いている状態)のときは、薬を飲むだけで大丈夫です。あとは1年に1回、内視鏡検査で潰瘍性大腸炎の発症を確認するくらいです。内視鏡検査では、大腸組織も摘出し、生理検査にまわされるので、結果は数日後となります。
しかし、今回の安倍首相のように、治療のために隔週で通うこともあります。後述しますが、安倍首相の今回の病院にいく頻度については、ある薬を投薬しているからだと考えやすいです。
ですので、再発したときは、
・内視鏡検査(半日程度の入院)
・服薬(1ヶ月に1度の通院が必要)
or 点滴治療(最初は2週に1度、徐々にペースは落ちていく)
が初期治療。
重いときは手術や入院が必要になってきます。
安倍総理大臣の潰瘍性大腸炎はどのレベルか
気になる記事はこちら。
「潰瘍性大腸炎」、国内に患者22万人…首相の新点滴は「生物学的製剤」か(読売新聞)
ここに書かれている「生物学的製剤」「点滴」がヒントです。
マニアックな話になりますが、軽症の患者であれば基本的には飲み薬のみで症状を抑えることができます。一方で、生物学的製剤を点滴する、つまりはエンタイビオを投薬している場合は、中症~重症になります。
つまり、安倍晋三総理大臣は、中症 or 重症であることが推測出来ます。
ちなみにエンタイビオに関しては、製造もとである武田薬品さんのこちらの記事が参考になります。
安倍首相の潰瘍性大腸炎の症状の重さ

もし重症の場合、常に発熱があったり、トイレで排便したあとも、すぐにまた腹痛が襲ってくるという地獄が待っています。みそじ男も一度経験したことがありますが、本当の地獄です。出社するのもままならないですし、仕事もほとんど集中できなかったことを覚えています。
潰瘍性大腸炎が再燃した安倍首相が任期を全うできない3つの理由
おそらく、潰瘍性大腸炎を調べた方の中には、「なーんだ、潰瘍性大腸炎もしっかり薬飲んでいれば、大丈夫そうじゃん!」と思っている人もいるかもしれません。まさにそのとおりで、安倍首相も無理をすればこのまま継続できたのかもしれません。しかし継続すべきではないと、みそじ男が考える点が3点あります。
1, まともに仕事ができないから
安倍晋三総理大臣も記者会見で発表していましたが、もし重症患者であればまともに仕事なんてできないと思います。
想像してみてください。
・いつトイレに行きたくなるかわからない。常に腹痛が襲ってくる。
・あまりの腹痛に、脂汗が出てくるレベル。
・ただの下痢ではない。血便。
・トイレに間に合わないことを考え、おむつを履くことも。
・常に発熱している。体がだるい。
・重要な会議でも途中抜けするレベルの腹痛。我慢してもらすことも。
・食事も自由に取れなくなる。消化の良いもののみ。毎日うどんやおかゆ。
こんな状態で仕事できますか?
みそじ男は、この状態でも仕事をしていましたが、正直パフォーマンスは50%以下でした。そして何よりも精神がボロボロでした。
2, コロナ感染のリスクが高い
もしエンタイビオを投与している場合、免疫治療となるため、免疫力が落ちており、感染症にかかりやすくなっている可能性があります。毎日多くの人と接点を持つ仕事である安倍首相にとっては、免疫力が低下しており、コロナに掛かる可能性が高いのです。
安倍総理大臣がコロナにかかることのリスクが高いというのは、国にとっても大きなリスクなのではないでしょうか?
3, 死亡リスクが高くなる
百歩譲って、我慢して働き続けることはできるかもしれません。しかし、潰瘍性大腸炎は活動期が続いていると、大腸がんになる可能性が数倍高くなるという報告がなされています。
一般の人が大腸がんになる可能性は0.01%。
安倍首相のように潰瘍性大腸炎患者は最大6%。
つまり600倍も大腸がんになりやすいんです。

また、もし重症が続き、大腸を全摘することになった場合、そう長くは生きられないのではないでしょうか?
もちろん国のためをおもって仕事をしてくれることはありがたいですが、自分の命以上に大切なものはないのではないでしょうか?死んでしまったらそこでおしまいです。
まとめ
色々と安倍首相に関する潰瘍性大腸炎について、みそじ男の実体験も含めて、エントリーしてみました。比較するのもおこがましいのですが、同じ潰瘍性大腸炎患者で、リーダーとして組織を率いる身として、安倍首相の辞任会見はこみ上げてくるものがありました。
これまでの素晴らしいリーダーシップに感謝するとともに、安倍首相の潰瘍性大腸炎が寛解に向かうことを祈っております。本当にお疲れさまでした!
アリーヴェデルチ(さよならだ!)
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