大腸癌にかぎらず癌って怖いですよね。潰瘍性大腸炎患者はどうやら大腸癌になりやすいようです。みそじ男は実は生物学系の理系なので、論文を調べてみましたー。読んでもちんぷんかんぷんな内容だと思いますので、要約してお届けします!
潰瘍性大腸炎患者は大腸癌になりやすいのか
結論、
なりやすい
と論文上では言われています。それも600倍もです。
一般の人が大腸癌になる確率
0.01%
男性50~54才をサンプルに取ると、100万人いて100人、すなわち0.01%です。1万人に1人と考えると、高い確率とはいえないですね。大腸癌は臓器別にみると男性では3番目に多い癌(1位:胃、2位:肺)で、女性では乳がんに続き2番目に多い癌なんです。2013年では男性で7万人、女性で6万人が罹患しています。
【参考】
大腸がん情報サイト運営事務局
http://www.daichougan.info/outline/quantity.html
潰瘍性大腸炎患者が大腸癌になる確率
6%、一般人の600倍
国によって、また羅患してからの期間によって、大腸癌になる可能性は変わってくるようです。日本でもデータがあるので、その内容を元にしますが、羅患から30年後(50~60才のゾーンが多いと仮説)で6%の方が大腸癌になったとのこと。上記の一般人が0.01%なので、その600倍です。衝撃ですね・・・
【参考】
IBD に伴う癌の診断
日本消化器内視鏡学会雑誌 Vol. 56(2), Feb. 2014
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/56/2/56_237/_pdf
Eaden J, Abrams KR, Mayberry JF et al. The risk ofcolorectal cancer in ulcerative colitis : a meta – analysis.Gut 2001;48:526 – 35.
Gilat T, Fireman Z, Grossman A et al. Colorectalcancer in patients with ulcerative colitis. A populationstudy in central Israel. Gastroenterology 1988;94:870 – 7.
Lennard – Jones JE, Melville DM, Morson BC et al.Precancer and cancer in extensive ulcerative colitis: findings among 401 patients over 22 years. Gut1990;31:800 – 6.
Winther KV, Jess T, langholtz E et al. Long – termrisk of cancer in ulcerative colitis : a population basedcohort study from Copenhagen county. ClinGastroenterolHepatol 2004;2:1088 – 95.
Lakatos L, Mester G, Erdelyi Z et al. Risk factors forulcerative colitis – associatedcolorectal cancer in aHungarian Cohort of patients with ulcerative colitis: results of a population – based study. InfammBowel Dis 2006;12:205 – 11.
Rutter M, Saunders B, Wilkinson K et al. Thirty -year analysis of a colonoscopic surveillance programfor neoplasia in ulcerative colitis. Gastroenterology2006;130:1030 – 8
Hata K, Watanabe T, Kazama S et al. Earlier surveillancecolonoscopy programme improves survivalin patients with ulcerative colitis associated colorectalcancer : results of a 23 – year surveillance programme in the Japanese population.
医学の進歩でなんとかならないのか
安心して下さい。どうやら医学の進歩のお陰で、大腸癌罹患のリスクが時代とともに低下しているようです。確かに上の表をみると、昔は罹患歴30年だと18%とか絶望的な数字があったにも関わらず、デンマークの研究では罹患歴30年でも2.1%と優秀な数字になっていますね。これが国民性なのかはわかりませんが、薬をちゃんと飲んでおくにこしたことはなさそうです。
CRC罹患のリスクが時代とともに低下した原因は,薬物治療の進歩,特に 5 – ASA 製剤の長期服用が徹底したこと,前悪性病変の摘除,適切な大腸切除に加え,SC の普及によると考えられている.
【参考】
IBD に伴う癌の診断
日本消化器内視鏡学会雑誌 Vol. 56(2), Feb. 2014
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/56/2/56_237/_pdf
※用語補足
CRC:大腸癌
5-ASA製剤:潰瘍性大腸炎患者の方がよく飲む薬
SC:サーベイランス内視鏡
まとめ
潰瘍性大腸炎患者は大腸癌になりやすい、これは避けられない事実のようです。その事実を受け入れて、保険への加入や定期検診、服薬遵守をしっかりやっていくことが大切ですね!
みそじ男としてのお薦めは住宅ローンを組む際に、疾病保証付きの団信に入ることです。癌になった瞬間、住宅ローンの残額をすべて支払ってもらえるような保証付きのものもあります。そもそも中々潰瘍性大腸炎患者だと、入れてもらえないんですが・・・
それではー
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