みそじ男は、今務めている会社で新卒採用の人事を8年間、中途採用の人事を3年間担当しています(色々兼務していて大変なんです・・・)今回はマニアックに新卒採用における潰瘍性大腸炎患者の評価について、私なりの解説を伝えたいと思います。
※2022年5月現在は経営者となり100-200人の会社を経営していますが、新卒採用も中途採用も最終面接を担当しているので、基本的には考えは変わっていません。
↓潰瘍性大腸炎患者が就職・転職するならシリーズはこちら↓
潰瘍性大腸炎患者が就職・転職するなら その5 ~管理・事務編~
潰瘍性大腸炎は就活の評価に影響するか
先に結論をお伝えしますが、
影響しません!(少なくとも私の会社や人事仲間に聞いたレベルでは)
私の部下にも潰瘍性大腸炎メンバーいますが、これまで新卒採用で私が知るかぎり4人の潰瘍性大腸炎・クローン病のメンバーを採用しています。(毎年数十名の採用、7年間で200名近くのうち3名。本人が隠しているケースあると思うので、もっといるかもしれません。)
現在、経営しているベンチャー企業では採用後に1名、潰瘍性大腸炎患者であることを知りました。私自身が開示していたため、本人から申し出てくれました。ふたりとも寛解期なので、元気に働いています。
何故影響しないか
人事側の理解度にもよると思いますが、潰瘍性大腸炎は寛解期にあれば健常者と全く変わらないレベルで働くことができます。なので、潰瘍性大腸炎だから評価が下がるということは全くありません。安倍元総理も潰瘍性大腸炎を患っていますが、連日、ストレスのかかる環境下に置かれていても、日本の代表としてしっかり仕事を続けています。
そんなことよりも、会社ごとには《採用要件》という、評価項目が存在しています。人事面接官はその評価項目を満たしているかどうかを見極めることと、会社の魅力アピールをすることに必死です。履歴書に病気のことを書いたとしても、ほとんど目を通してないでしょう。目を通すのは、出身高校と所属大学、所属サークル・セミ・研究室くらいでしょう。
いつ伝えるべきか
内定を頂くまでの選考プロセスは会社によって異なります。一般的には、説明会→グループ面接→人事面接→最終面接→人事面談(内定付与)のような流れが多いでしょうか。
人事・経営者としてお薦めする、潰瘍性大腸炎のことを伝えるべきタイミングは人事面接後か人事面談時(内定付与時)です。
潰瘍性大腸炎という病気を知っている面接官など、ほとんどいないと思います。可能性としては5%にも満たないかと思います。
そのような面接官に対して、
「私は潰瘍性大腸炎という難病にかかっているのですが、大丈夫でしょうか?」
と伝えても、表面上は「大丈夫ですよ!」と答えますが、内心は
『潰瘍性大腸炎?知らないなぁ。難病とかマネジメント大変そうだな・・・採用見送ったほうがいいかも・・・』
と悪評価になる可能性があります。
下記図にもあるとおり、企業側には採用意向度(あなたをどの程度採用したいか)によって、許容範囲が変わってきます。人事面接後(最終面接前)や人事面談(内定付与時点)では、採用意向度は高くなっているので、そのタイミングで潰瘍性大腸炎であることを伝えても良いかもしれません。

何を伝えるべきか
まずは潰瘍性大腸炎がどういう病気であるか、自分自身の症状がどの程度のものかを伝える必要があります。潰瘍性大腸炎は安倍首相もかかっている病気です。正しく病気と付き合い、寛解期を保っていれば、仕事には全く支障がありません。健常者と変わらず仕事ができ、企業としても採りたいと思っている人材であれば、不合格にする理由がありません。
また人事だけではなく、入社後、上司に対しても伝えておく必要があるでしょう。私自身も部下に潰瘍性大腸炎メンバーがいますが、やはりその事実を知っているだけで、様々な配慮ができます。
おまけ:会社選びのポイント
潰瘍性大腸炎患者だからといって就職活動で不利になることはない、とお伝えしました。だからこそ、次は潰瘍性大腸炎を患いながらも、安心して働くことができる職場を探すべきです。
最低でも、
・自宅から職場までの距離(通勤がストレスになるため。リモートワーク中心の会社もおすすめ)
・職場内のトイレ環境
・融通の効きやすい働き方かどうか
は調べておくと良いでしょう。
例えば、総合職でなんの仕事につくかわからない、といった仕事を選んでしまうと若干リスクがあります。というのも、車を使った外回りの営業の場合、急な腹痛への対応がかなり難しくなってしまいます。また基本的にはお客様の都合で仕事は進んでいきますので、お腹が痛くてアポイントメントに遅れてしまう、といったことが起きる可能性があります。
幸運なことに、仕事はメンバーシップ型からジョブ型へと変わってきており、配属ガチャリスクも少なくなってきています。配属ガチャがない会社を選ぶと良いでしょう。
参考
令和2年度厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」の成果物の一つとして、下記のような読み物も発刊されていますので、医療の立場からみた潰瘍性大腸炎の就職活動を知りたい方はこちらをどうぞ。
まとめ
潰瘍性大腸炎だからといって就職活動に対して悲観的になる必要はないと思います!伝えるタイミング・伝える内容には気をつけながら、素晴らしい難病キャリアを築いていってください!
それではー
参考になりました!これから面接がたくさん始まるのですが、わたしも寛解期なので、自信持って就活に臨みたいと思います!
コメントありがとうございます。潰瘍性大腸炎は寛解期さえ維持できていれば、仕事に支障のない難病です。タイミングを気をつけながらも、是非人事の方に開示してみてください。